「何歳からでも人は若返る」この一節で購入を決めた一冊。
今回、レビューする書籍はアンチエイジングに重要な食習慣にスポットを当てた「老けない人はこれを食べている|牧田善二」だ。
若返り対策として「糖質制限」を取り入れている人は多いが、AGE(終末糖化物質)まで意識している人は相当少ないのではないだろうか。
若返りたいならAGE対策は必須だ。今回は僕のなりにこの書籍の若返り法エッセンスを抽出してみたのでぜひ一緒に学んでいこう。
目次
著者|牧田善二
著者は牧田 善二医師。アンチエイジングの専門医としてAGE牧田クニックを開業。ベストセラーとなる「医師が教える食事術」を上梓。30年にわたり糖尿病の治療に携わるプロとして多数メディアにも出演。
本書でいう「老けない食事」とはAGE(終末糖化物質)の少ない食事法を意味する。
AGEとは
AGE(終末糖化物質)とは、細胞の老化(シワ、シミ)、疾患(癌、炎症)を引き起こす老化物質。
糖(米や小麦製品に含まれる)とタンパク質が結びつく反応を「糖化」と呼び、その糖化が進行し末期状態で発生させる物質が最終形態・AGE(終末糖化物質)だ。
AGEはカラダの各細胞に蓄積しカラダを変性、劣化、老化させていく。皮膚のシミには大量のAGEが蓄積している。
AGEは高温調理(揚げ物、焼き物)した食品でも発生し、口にした7%が体内に蓄積する。
AGEを発生させる2つの原因
AGEを発生させる原因は2つある。「①:糖化」と「②:高温調理」だ。本書のエッセンスをまとめる前にAGEの発生原因を説明していこう。
AGEの発生原因1|糖化(メイラード反応)
まず1つ目は、糖質の摂取により起こる糖化現象。対象法は「糖質制限」が重要だと考えられる。
糖化(メイラード反応)とは
糖化とは「糖」と「タンパク質」が一緒に加熱されることで糖とタンパク質が結びつく現象。メイラード博士によって発見されたためメイラード反応とも呼ぶ。
例えば、パンケーキ表面のこんがりとした焼き目は「糖質(薄力粉、砂糖)×タンパク質(卵、牛乳)」を加熱することで発生する。
人体でも「糖質(米、パン)×タンパク質(細胞)×体温」の条件で細胞が糖化する。糖尿病(高血糖)があらゆる合併症を引き起こすのは糖化が発生しやすいことが原因だと考えられる。
初期状態(糖化)であれば細胞から糖を摂ることが可能だが、末期状態(AGE/終末糖化物質)で回復する事はできない。
AGEの発生原因2|高温調理
2つめの原因が高温調理によるAGEの発生だ。若返りにはできるかぎり低い温度で調理する必要がある。以下の表を見ていただけば一目瞭然だ。
牛肉はレアや、シャブシャブ、魚は生か蒸すなど、調理法を変えるだけでAGEの摂取を抑えることが可能だ。問題は飽きる・・ことぐらいか・・。
食材 調理法 AGE 牛 生 707 超レア 800 焼く(フライパン) 10,058 鳥 蒸す 769 バーベキュー 8,802 唐揚げ 9,732 魚 刺し身(サーモン) 528 鍋 761 マグロ缶(水煮) 452 マグロ缶(オイル煮) 1,740 焼き魚 3,084 卵 スクランブルエッグ 173 オムレツ 223 目玉焼き 2,749 参考:老ける食べ方若返る食べ方
どうだろう?レアステーキとしっかり焼き(フライパン)のAGEは約12倍、短時間で調理できるスクランブルエッグと目玉焼きのAGEは約17倍。そしてこの7%が毎日蓄積していく。毎日の調理法がアンチエイジングの要なのだ。
肌が老化(AGE化)する原因
肌の老化に関わるのが表皮と真皮です(中略)。いちばん内側で生まれた細胞が新しい表皮を作り、一番外側の古い細胞を押し出す(ターンオーバー)。このサイクルは40日~50日ということがわかっています。
※下部分が「コラーゲン」。AGEによりコラーゲンが崩れている。7割を占めているのがコラーゲン繊維。肌の弾力を保つカギであると同時に、AGEの影響を受けやすい場所です。(中略)糖化が進むと「厚くてカサカサの表面」が「薄くなって弾力を失った真皮」の上にのっている状態になってしまうのです。
参考:老けない人はこれを食べてる
まずはAGEが皮膚に与える老化現象(シワ、弛み、シミ)について。
皮膚のシワは表面ではなく、内側の真皮(コラーゲン)がAGEによりダメージを受けた状態ということ。AGE化するとコラーゲンの結びつきが崩れ土台が変形してしまうためだ。
だが、心配はいらない。皮膚は40日~50日かけて内側から外に向かって新しい細胞が作られていく。皮膚を美しく若返らせるのは「①:AGEをためない事」、「②:糖化をAGEに進行させない事」を意識することが大切だ。
本書ではAGE対策に有効栄養素についても触れていたのでまとめていく。
AGE対策(老化対策)サプリメントについて
AGE対策にはサプリメントを利用する事も有効だという。ビタミンB、C、Eと並んでいるが、これらはお互い補助しあってる栄養素なので、全て摂取することが重要だ。
ビタミンB群
管理人が愛用するビタミンB。ビタミンB群が50mgづつ配合されている。
ビタミンB1とビタミンB6は強力にAGEえお抑えるので、糖尿病合併症の治療薬としても期待されています。
ビタミンB群を毎日摂取することで皮膚や血管のAGEが低下することがわかっているようだ。
僕は毎日ビタミンB50コンプレックスというサプリメントを飲んでいる。B50コンプレックスとはビタミンB1、B3、B12などのB群が各50mgずつ配合されているサプリメント。国産では一般販売されていない。Amazonまたは海外サイト(i-harb)から個人輸入できる。
ビタミンE
天然のビタミンE(α-トコフェノール)。
「ビタミンE」抗酸化作用や血液促進による美肌・美髪効果の高さから「若返りのビタミン」ともよばれる。
天然のビタミンEは、α(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)、δ(デルタ)の4種類が存在する。α(アルファ)が最も生理作用が高い。
ビタミンC
管理人が愛用するビタミンC。効果が12時間持続する。
強い抗酸化作用で知られるビタミンC。(中略)糖質をとったあと目が疲れたときなどにもビタミンCは消費されます。1日数回こまめに補給しましょう。
僕が飲むビタミンCサプリは「ビタミンC1000」。一錠あたりビタミンが1000mg(1g)配合されたものだ。これを一日9g(9錠)飲んでいる。c1000は国内ドラッグストアーでも簡単に手に入る。
ビタミンCは水溶性で尿に溶けるので過剰摂取を起こさない。老化予防として最も優先してのみたいサプリメントだ。
α-リポ酸
α-リポ酸は抗酸化力が高く、AGEをたまりにくくします。
糖質制限には積極的にブロッコリーを摂取したい。僕はステーキの添え物にはかならずブロッコリーを添えるようにしている。成長過程でα-リポ酸も低下するので新芽である「ブロッコリースプラウト」はさらに有効だ。
抗AGE成分(美容液)について
AGE対策に有効とされている成分はブルーベリー(ビルベリー果実エキス)、イチョウ葉、セイヨウオオバコ種子、ブラックティーファーメント、カラギーナン、マロニエ、ドクダミ、セイヨウサンザシ、カルノシン、カテキン、ビタミンC、ピリドキサミンリン酸など。これらの成分は、分子量が小さいので肌にきちんと浸透します。
引用:老けない人はこれを食べている(P124)
個人的に本書で最も参考になった一節(男だが・・)。
先に、シミには大量のAGEが蓄積していると紹介しているが、皮膚細胞は40日~50日で入れ変わるため正しい抗AGEコスメを利用する事で、老化を予防し確実に肌の若返りが可能になるのだ。
基本的に「抗AGE」をはっきりとうたった製品を選べば上記成分を配合した美容液が手に入るとのこと。今後、男のシミ対策として参考にしていきたい。
『AGE対策』VS『糖質制限』若返りにはどちらが有効?
肉は糖質は少ないけどAGEは多め、パンやごはんはその逆で糖質は高く、AGEは少なめです。(中略)ダイエットの必要があれば糖質制限をして(中略)BIMが目標の値に近い方はAGE対策を優先したほうがいいでしょう。
引用:老けない人はこれを食べている
著者は人体にとって糖質は必要の無い栄養素と言い切っている。人間のカラダは狩猟採集時代のと変わらないので、タンパク質、脂質で健康を維持できるとのことだ。
いっぽうで問題になるのが糖質制限の場合、揚げ物やステーキといった高温調理でAGEの多い食事が増えるリスクがあるという。ある動物実験ではAGE対策をしない場合、いくらカロリー制限しても寿命が延びないこともわかっている。やはりAGEが老化の根本原因ということは間違いないようだ。
糖質制限をすれば基本的に糖化リスクを排除できる。残りはAGE対策をするだけなのだ。カルパッチョやシャブシャブなど、意識的にAGEの少ない調理法を選択していこう。
最後に
1人暮らしで糖質制限をすると、揚げ物や焼き物が多くなる。さすがに煮物とかめんどくさい。
どうしよう・・。
まぁカルパッチョ系サラダなら手軽だし、いいか。
あ、刺し身だけだとエネルギー不足になるので、いっしょにモッツアレラチーズなどを加えたほういい。
まぁ、無理の無い範囲でAGEの少ない料理を選択していきましょう。